9.8 夜汽車

実家の浴室の窓を開けると、山を背に電車の通過する様子が見える。
先日、帰省した折、湯船に浸かっていると電車の音がしたので、窓を開けて見ると暗闇に小さく均等に連なる明かりが移動していくのが見えた。駅が近く減速しているので、少なかったが乗車している人影も見えた。仕事終わりだろうか、学校からの帰りだろうか、下車後家路を急ぐ様子を勝手にイメージしながら通過を暫く眺めていた。

なんとなく心安らぐ光景だった。

そう言えば、昔お盆で親戚たちが集まった際、叔父たちが夜汽車の通過する風景がすきだった、という話をしていたことを思い出した。もしかしたらこんな気持ちからだろうかと思った。自分も当時の叔父たちの年齢に近くなった。時を経て気づくこともあるものだと感じたひとときでした。

///// 文:長谷部浩司 /////

※写真はイメージです。

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