乳歯が抜けた時に「下の歯は屋根に向かって、上の歯は床下に向かって投げる」という習慣があるのですが、うちの実家では「ねずみのはっこどとけでけれ!」という言葉も添えて投げます。
「ねずみの歯?」「どういうこと?」という感じですが、小さいころに祖母から教えられたのは、ねずみの歯は丈夫だから、ねずみの歯のような丈夫な歯が生えてくるようにという願いが込められるとのこと。
先日、下の歯が抜けた二男も屋根に向かって投げることに。二男に「ねずみのはっこどとけでけれ!」という言葉を教えると「なんでねずみ?ねずみは嫌なんだけど…」と初めは難色を示されました。
丈夫な歯が生えてくるようにという願いが込められていることを説明して理解した二男、気持ちを込めて投げましたが、「はっこどとけでけれ!」という秋田弁がうまく言えず…。
5歳児には、秋田弁交じりの「ネズミノハッコドトケデケレ」を発音するのは難しかったようです。
歯は屋根には届かず、うっすらと積もった雪の中に消えていきました。
ちなみに、長女と長男は団地住まいだったので、帰省した時に持って帰ってきて投げてました。
二男の後ろ姿と澄みきった青空を見ながら、自分が子供のころに経験したこと、祖父母から聞いたことなど、子供たちに伝えたいことがたくさんあると思った朝のひと時でした。
【記事:いとう】